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医療機器プログラム(SaMD)の審査ポイント

目次

令和4年6月に「規制改革実施計画」が閣議決定されています。その中の「<医療・介護・感染症対策>(4)質の高い医療を支える先端的な医薬品・医療機器の開発の促進」「No.13 プログラム医療機器(SaMD)に関する承認審査等の見直し」の内容から、厚生労働省では類型・対象疾患ごとに承認実績が存在するプログラム医療機器について、早い段階で登録認証機関による認証に移行できるよう、認証基準の策定や改正を主体的に行っています。

そしてPDMAによる承認審査における開発事業者の予見性を高めることを目的として、審査のポイントに関する情報(有効性・安全性の評価のための試験条件や評価のポイント)を整理・公表しています。以上から、こちらの記事では医療機器プログラムの認証基準と審査ポイントについてご紹介していきます。

医療機器プログラムの認証基準

厚生労働省とPMDAは、産業界からの協力を得ながら、承認審査から認証に移行可能となっている医療機器プログラムについて、承認実績を踏まえた認証基準の策定や改正を実施しています。これらの認証基準については制定され次第更新が行われています。また、登録認証機関向けのトレーニング資料も掲載されています。

2023年には「放射線治療計画プログラム認証基準」、「呼吸装置治療支援プログラム認証基準」、「創外固定器治療計画支援プログラム認証基準」の3つの認証基準の策定が行われています。

クラス分類 別表 告示年月日 認証基準名 登録認証機関向け
トレーニング資料
III 1-12 2023/3/7 放射線治療計画プログラム認証基準 基準審査
II 2-6 2023/3/7 呼吸装置治療支援プログラム認証基準 基準審査
II 2-7 2023/10/18 創外固定器治療計画支援プログラム認証基準 基準・審査Q&A

医療機器プログラムの審査ポイント

PMDAでは、平成26年以降に承認取得している医療機器プログラム(SaMD)より、審査のポイントに関係している情報を整理して公表しています。

これらの審査ポイントは、承認申請に際して資料の作成の効率化・審査の迅速化に役立てるため、規定の適用範囲に示す医療機器について必要な評価項目などを示すものです。また、現時点の科学的な知見に基づいた上で審査の考え方を示したものであることから、科学技術の進歩などに応じた見直しが行われ、改訂されるべきものとされています。

2022年には「腹膜透析用治療計画プログラム」、「歯科インプラント用治療計画支援プログラム」の2つの医療機器プログラムに関する審査ポイントを公開、さらに2023年には「眼科手術用治療計画プログラム」、「病変検出用内視鏡画像診断支援プログラム」、「医用画像の読影支援を目的としたコンピュータ診断支援プログラム」の3つの医療機器プログラムに関する審査ポイントについて公開されています。詳しい審査ポイントについては、下記の表にある該当のリンクをご参照ください。

クラス分類 別表 公開年月日 一般的名称
III 1-1112 2022/9/30 腹膜透析用治療計画プログラム
II 2-1963 2022/11/2 歯科インプラント用治療計画支援プログラム
III 1-1115 2023/3/3 眼科手術用治療計画プログラム
II 2-1991 2023/3/10 病変検出用内視鏡画像診断支援プログラム
II 2023/3/10 医用画像の読影支援を目的としたコンピュータ診断支援プログラム

プログラム医療機器について

プログラム医療機器とは、ソフトウェア単体で疾病の診断、治療、予防を目的とするものを指します。このソフトウェアが意図した通りに機能しない場合、患者または使用者の生命および健康に影響を与える可能性があるものが含まれます。これらのプログラムは医薬品医療機器等法(薬機法)の規制対象となり、適切な品質、有効性、安全性を確保するために承認・審査が行われます。

医療機器プログラムとプログラム医療機器の違い

医療機器プログラムはプログラム単体で流通するものを指し、ソフトウェアそのものが対象です。これは、例えば、インターネット経由でダウンロードされる診断用ソフトウェアなどが該当します。

プログラム医療機器はプログラムが記録された記録媒体も含め、単体で流通する製品を指します。これには、例えば、CDやUSBメモリに記録された医療用ソフトウェアが含まれます。

PMDAが実施するプログラム医療機器に関する相談について

PMDAでは、プログラム医療機器の開発および承認審査を支援するために、以下の相談制度を提供しています。

治験相談

  • 目的: 治験の倫理性、科学性、信頼性、および被験者の安全性の確認。
  • 内容: 治験の実施計画や承認申請に必要な要件を確認し、指導・助言を受けられます。
  • 費用: 有料となるため全般相談や準備面談を活用して、治験相談を円滑に進めるための事前準備を行うことが推奨されています。

全般相談

  • 目的: プログラム医療機器の開発や承認に関する一般的な相談。
  • 内容: 無料で実施され、回数制限はありません。
  • 特徴: 相談内容に大きな差はなく、治験相談等を円滑に進めるための事前相談として利用されます。

RS戦略相談:

  • 対象: 主に大学、研究機関、ベンチャー企業。
  • 内容: 開発品の臨床開発初期に必要な計画策定等について低額手数料で指導・助言。
  • 特徴: 日本発の革新的な医療機器の実用化に向けた支援。

SaMD一元的相談窓口

  • 目的: プログラム医療機器に関する各種相談を一元的に受け付ける。
  • 内容: 手数料は無料で、相談者のニーズに応じて適切な窓口を紹介。
  • 特徴: プログラム医療機器の開発を目指す事業者が対象となっています。

これらの相談制度を通じて、プログラム医療機器の開発・実用化および安全性・有効性の確保するための支援を受けることが可能です。

相談の申し込み方法などについては、PMDAのホームページで確認することができます。

THREE SELECTIONS
⽤途で選ぶ医療機器CRO3選
医療機器向けのCROとしてサービスを提供している会社の中から、「医療機器(デジタル領域)」「医療機器(器具‧用品)」「細胞治療製品」の3つの用途に分けて、おすすめの会社を紹介します。
医療機器(デジタル領域)
開発なら
マイクロン
マイクロン
引用元:マイクロン公式HP
(https://micron-kobe.com/)
対象
  • スマホ、PCを介した医療系ソフトウェア
  • 診断、治療目的のヘルスケアアプリ
  • AIを使った疾患の予測、診断プログラム など
CROの特徴
  • 40件以上のプログラム医療機器(SaMD)の開発実績、アイデアを形にするべく支援
  • CTやMRI、ヘルスケアアプリまで、様々な診断・治療プログラムを開発
医療機器(器具‧⽤品)
開発なら
シミック
シミック
引用元:シミック公式HP
(https://www.cmicgroup.com/)
対象
  • 血管吸引カテーテル、ステントグラフト等の機械器具
  • 造影剤用輸液セット、インスリン注入器等の医療用品
  • インプラント、歯科用ユニット等の歯科材料 など
CROの特徴
  • 30種類以上の医療機器の受託開発実績、多種多様な製品開発が可能
  • 医薬品と医療機器、化粧品と医療機器等、分野を超えた同時開発が可能
細胞治療製品
開発なら
IQVIAサービシーズ
ジャパン
IQVIAサービシーズジャパン
引用元:IQVIAサービシーズジャパン公式HP
(https://www.iqvia.com/ja-jp/locations/japan)
対象
  • 皮膚再生製品
  • 神経系再生製品
  • 循環器再生製品 など
CROの特徴
  • 再生医療分野において166以上の試験、6,600例以上の実績
  • 国内外の再生医療等製品の開発・薬事を熟知しているグローバル企業

【このサイトに掲載する会社の選定条件】
2023年2月7日時点、「医療機器 CRO」とGoogle検索して表示された企業、および一般社団法人日本CRO協会の会員企業の中から医療機器向けのCROとしてサービスを提供している22社を掲載しています。
【3選に掲載する会社の選定条件】
22社の公式HPを調査し、以下の条件で3社を選出しました。実績・種類はすべて2023年4月時点のものです。
マイクロン…SaMDの実績(40件)が最も多い。
シミック…第一種製造販売業許可(許可番号:13B1X10146)を取得しており、受託開発した医療機器の種類が最も多い。
IQVIAサービシーズジャパン…再生医療分野において166以上の試験、6,600例以上の実績があり最も多い。