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医療機器プログラム(SaMD)とは

目次

SaMD(医療機器プログラム)とは何か。どんな種類があって、具体的にどのようなプログラムのことをいうのか。今後、ニーズが高まることが予想されるSaMDについて解説します。

「SaMD」
医療機器プログラムとは

SaMD(サムディー)とは、Software as a Medical Deviceの頭文字を取ったもので、日本語では医療機器プログラムと呼ばれています。デジタル技術を用いて、診断や治療を支援するソフトウェアと、その記録媒体を含むものを指し、汎用コンピュータや携帯情報端末などにプログラムをインストールして使用します。

SaMDの種類

医療機器に該当するプログラムとして、厚生労働省ガイドラインでは、以下のように定めています。

  • 入力情報を基に、疾病候補、疾病リスクを表示するプログラム
  • 疾病の診断・治療・予防を意図したプログラム
  • 有体物の医療機器とセットで使用するプログラム

一方で、以下のプログラムについては、医療機器の定義を満たさないため、医薬品医療機器等法の規制対象とはなりません。

  • 患者説明を目的とするプログラム
  • 院内業務支援、メンテンナンスを目的とするプログラム
  • 使用者が自らの医療・健康情報を閲覧することを目的とするプログラム
  • 生命や健康に影響を与えるリスクが低いと考えられるプログラム
参照元:厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課、厚生労働省医薬・生活衛生局医療機器審査管理課「プログラムの医療機器該当性に関するガイドライン」【PDF】(https://www.pmda.go.jp/files/000240233.pdf)2023年3月調査時点

つまり、AI(人工知能)を活用した診断支援ソフトウェアや、治療用アプリなど、疾患の治療を目的として作られたものはデジタル治療と位置付けられSaMDに含まれますが、健康増進などを目的に利用されるデジタル技術は、「Non-Software as a Medical Device」、「Non-SaMD(ノンサムディー)」と呼ばれ、SaMDには含まれません

SaMDの具体例

  • 頭部MRI検査の画像を基に患者の脳の萎縮の度合いなどの情報を提供し、認知症の診断を補助するプログラム
  • 数学的アルゴリズムを使用して皮膚病変部の画像を解析し、病変部のリスク評価結果をユーザーに提供するプログラム
  • 画像診断機器で撮影した画像や検査機器で得られた検査データを加工・処理し、病巣が存在する候補位置の表示や、病変又は異常値の検出の支援を行うプログラム
  • 病変の良悪性鑑別や疾病の進行度等の定量的なデータ、診断結果の候補やリスク評価に関する情報等を提供して診断支援を行うプログラム
  • 簡易血糖測定器等の医療機器から得られたデータを加工・処理して糖尿病の重症度等の新たな指標の提示を行うプログラム
  • 放射線治療における患者への放射線の照射をシミュレーションし、人体組織における吸収線量分布の推定値を計算するためのプログラム

PMDAによるSaMDの承認件数

2023年6月16日時点、PMDA公式HPの医療機器の承認品目一覧(※)に掲載されていたすべての医療機器を調査した結果、医療機器プログラム(SaMD)として承認されていると思われるものは172件でした。

※「プ1」「プ2」「プログラム」のいずれかのKWにヒットした医療機器
※「プログラム式植込み型 輸液ポンプ」等の医療機器は除外

他の医療機器と比べるとまだまだ少数ですが、令和に入ってから承認件数が徐々に増加しています。

承認件数が少ないため、大手医療機器メーカーであっても自社で承認まで進めることは一筋縄ではいかないそう。特にヘルスケア企業・ベンチャー・スタートアップといった薬事専門の部署がない企業だとなおさらでしょう。

このサイトではSaMDの承認をプロに相談したいと考えている企業に向けて、医療機器のCRO(開発業務受託機関)を紹介しています。

医療機器(デジタル領域)」「医療機器(器具‧用品)」「細胞治療製品」の3つの用途に分けて、おすすめの医療機器CROを紹介していますので、チェックしてみてください。

プログラム医療機器(SaMD)を医療機器のCRO(開発業務受託機関)を利用するメリット

専門知識と経験

SaMDの開発には、医療分野とソフトウェア技術の両方における深い専門知識と経験が必要です。開発受託・支援サービスを提供する企業は、これらの専門知識と豊富な実績を持っており、技術的なアドバイスや適切な開発プロセスの提案を受けることができます。

規制対応のサポート

SaMDは医療機器として規制の対象となります。これには、品質管理、臨床評価、承認申請などの厳しい規制対応が含まれます。医療機器のCROのサービスを利用することで、最新の規制要件を満たすためのサポートが得られ、承認プロセスをスムーズに進めることができます。

開発期間の短縮

専門的な支援を受けることで、開発プロセスが効率化され、試行錯誤や不要な遅延を避けることができます。これにより、SaMDの市場投入までの期間が短縮され、競争力を高めることにも繋がります。

コスト削減

CROのサービスは、初期投資を抑えつつ高品質な開発を可能にします。専門知識とリソースを持つ支援企業を利用することで、内部での開発リソースの増強や教育コストを削減し、コストパフォーマンスを向上させることができます。

リスク管理

SaMDの開発には多くのリスクが伴います。開発受託・支援サービスを利用することで、潜在的なリスクを早期に特定し、適切な対応策を講じることができます。これにより、開発プロジェクトの成功確率を高めることができます。

SaMDの承認件数が年々増加しているワケ

SaMDは扱い方によっては、大きな価値をもたらすとされています。SaMDのアプリケーションは、膨大な量の複雑なデータを瞬時に処理することができるうえ、携帯性や費用対効果に優れ、バージョンアップによって改善や改良にもスピーディーに対応できるので、より迅速に高性能な医療機器を提供することが可能です。

THREE SELECTIONS
⽤途で選ぶ医療機器CRO3選
医療機器向けのCROとしてサービスを提供している会社の中から、「医療機器(デジタル領域)」「医療機器(器具‧用品)」「細胞治療製品」の3つの用途に分けて、おすすめの会社を紹介します。
医療機器(デジタル領域)
開発なら
マイクロン
マイクロン
引用元:マイクロン公式HP
(https://micron-kobe.com/)
対象
  • スマホ、PCを介した医療系ソフトウェア
  • 診断、治療目的のヘルスケアアプリ
  • AIを使った疾患の予測、診断プログラム など
CROの特徴
  • 40件以上のプログラム医療機器(SaMD)の開発実績、アイデアを形にするべく支援
  • CTやMRI、ヘルスケアアプリまで、様々な診断・治療プログラムを開発
医療機器(器具‧⽤品)
開発なら
シミック
シミック
引用元:シミック公式HP
(https://www.cmicgroup.com/)
対象
  • 血管吸引カテーテル、ステントグラフト等の機械器具
  • 造影剤用輸液セット、インスリン注入器等の医療用品
  • インプラント、歯科用ユニット等の歯科材料 など
CROの特徴
  • 30種類以上の医療機器の受託開発実績、多種多様な製品開発が可能
  • 医薬品と医療機器、化粧品と医療機器等、分野を超えた同時開発が可能
細胞治療製品
開発なら
IQVIAサービシーズ
ジャパン
IQVIAサービシーズジャパン
引用元:IQVIAサービシーズジャパン公式HP
(https://www.iqvia.com/ja-jp/locations/japan)
対象
  • 皮膚再生製品
  • 神経系再生製品
  • 循環器再生製品 など
CROの特徴
  • 再生医療分野において166以上の試験、6,600例以上の実績
  • 国内外の再生医療等製品の開発・薬事を熟知しているグローバル企業

【このサイトに掲載する会社の選定条件】
2023年2月7日時点、「医療機器 CRO」とGoogle検索して表示された企業、および一般社団法人日本CRO協会の会員企業の中から医療機器向けのCROとしてサービスを提供している22社を掲載しています。
【3選に掲載する会社の選定条件】
22社の公式HPを調査し、以下の条件で3社を選出しました。実績・種類はすべて2023年4月時点のものです。
マイクロン…SaMDの実績(40件)が最も多い。
シミック…第一種製造販売業許可(許可番号:13B1X10146)を取得しており、受託開発した医療機器の種類が最も多い。
IQVIAサービシーズジャパン…再生医療分野において166以上の試験、6,600例以上の実績があり最も多い。