SaMD(医療機器プログラム)とは何か。どんな種類があって、具体的にどのようなプログラムのことをいうのか。今後、ニーズが高まることが予想されるSaMDについて解説します。
SaMD(サムディー)とは、Software as a Medical Deviceの頭文字を取ったもので、日本語では医療機器プログラムと呼ばれています。デジタル技術を用いて、診断や治療を支援するソフトウェアと、その記録媒体を含むものを指し、汎用コンピュータや携帯情報端末などにプログラムをインストールして使用します。
医療機器に該当するプログラムとして、厚生労働省ガイドラインでは、以下のように定めています。
一方で、以下のプログラムについては、医療機器の定義を満たさないため、医薬品医療機器等法の規制対象とはなりません。
つまり、AI(人工知能)を活用した診断支援ソフトウェアや、治療用アプリなど、疾患の治療を目的として作られたものはデジタル治療と位置付けられSaMDに含まれますが、健康増進などを目的に利用されるデジタル技術は、「Non-Software as a Medical Device」、「Non-SaMD(ノンサムディー)」と呼ばれ、SaMDには含まれません。
2023年6月16日時点、PMDA公式HPの医療機器の承認品目一覧(※)に掲載されていたすべての医療機器を調査した結果、医療機器プログラム(SaMD)として承認されていると思われるものは172件でした。
※「プ1」「プ2」「プログラム」のいずれかのKWにヒットした医療機器
※「プログラム式植込み型 輸液ポンプ」等の医療機器は除外
他の医療機器と比べるとまだまだ少数ですが、令和に入ってから承認件数が徐々に増加しています。
承認件数が少ないため、大手医療機器メーカーであっても自社で承認まで進めることは一筋縄ではいかないそう。特にヘルスケア企業・ベンチャー・スタートアップといった薬事専門の部署がない企業だとなおさらでしょう。このサイトではSaMDの承認をプロに相談したいと考えている企業に向けて、医療機器のCRO(開発業務受託機関)を紹介しています。
医療機器(デジタル領域)」「医療機器(器具‧用品)」「細胞治療製品」の3つの用途に分けて、おすすめの医療機器CROを紹介していますので、チェックしてみてください。
SaMDの開発には、医療分野とソフトウェア技術の両方における深い専門知識と経験が必要です。開発受託・支援サービスを提供する企業は、これらの専門知識と豊富な実績を持っており、技術的なアドバイスや適切な開発プロセスの提案を受けることができます。
SaMDは医療機器として規制の対象となります。これには、品質管理、臨床評価、承認申請などの厳しい規制対応が含まれます。医療機器のCROのサービスを利用することで、最新の規制要件を満たすためのサポートが得られ、承認プロセスをスムーズに進めることができます。
専門的な支援を受けることで、開発プロセスが効率化され、試行錯誤や不要な遅延を避けることができます。これにより、SaMDの市場投入までの期間が短縮され、競争力を高めることにも繋がります。
CROのサービスは、初期投資を抑えつつ高品質な開発を可能にします。専門知識とリソースを持つ支援企業を利用することで、内部での開発リソースの増強や教育コストを削減し、コストパフォーマンスを向上させることができます。
SaMDの開発には多くのリスクが伴います。開発受託・支援サービスを利用することで、潜在的なリスクを早期に特定し、適切な対応策を講じることができます。これにより、開発プロジェクトの成功確率を高めることができます。
SaMDは扱い方によっては、大きな価値をもたらすとされています。SaMDのアプリケーションは、膨大な量の複雑なデータを瞬時に処理することができるうえ、携帯性や費用対効果に優れ、バージョンアップによって改善や改良にもスピーディーに対応できるので、より迅速に高性能な医療機器を提供することが可能です。
【このサイトに掲載する会社の選定条件】
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【3選に掲載する会社の選定条件】
22社の公式HPを調査し、以下の条件で3社を選出しました。実績・種類はすべて2023年4月時点のものです。
マイクロン…SaMDの実績(40件)が最も多い。
シミック…第一種製造販売業許可(許可番号:13B1X10146)を取得しており、受託開発した医療機器の種類が最も多い。
IQVIAサービシーズジャパン…再生医療分野において166以上の試験、6,600例以上の実績があり最も多い。