医療機器の要素を持ったプログラム(ソフトウェア機能)が搭載された記録媒体を「プログラム医療機器」と呼びます。プログラム医療機器として承認されているものとしては、例えばAIを活用した画像支援システムがあり、国内で承認を受けた医療機器の中では最も承認件数が多くなっています。
そのほか生活習慣病や禁煙など治療を目的としたスマートフォンアプリなどにおいても数件の承認が行われています。医師によりアプリを処方された患者は、アプリをスマートフォンにイントールして使用する形になります。
プログラム医療機器において承認を得るためには、いくつかの規制をクリアすることが必要です。医療機器の製造・販売を行う際には、「業態許可」「製造販売承認等」「QMS症例」の手続きが必要となりますが、取り扱う商品については下記の流れで手続きが進められます(治療・診断プログラムの開発の場合)。
世界中でプログラム医療機器が次々に開発されている中、厚生労働省では国内における迅速な承認を進めている状況となっています。その中での具体的な動きとしては、2020年に厚生労働省が「プログラム医療機器実用化促進パッケージ戦略(DASH for SaMD)」を公表。こちらの制度では、革新的なプログラム医療機器の迅速な審査を行うことを目的として、開発の段階で新しい技術を審査機関が把握する点がポイントとなっています。また、開発から保険までの相談先の一元化もこちらの戦略に盛り込まれています。
DASH for SaMDが法制化された2020年には、国内で初の治療用アプリが薬事承認されています。
現在プログラム医療機器においては、2段階で薬事承認を行う制度の導入に向けた取り組みが進められています。同制度の導入で薬事承認が行われる期間を大幅に短縮することによって、臨床現場においてプログラム医療機器を早期に使用可能とすることを狙いとしています。この2段階承認を行う制度については、2024年からの施行を目標としています。
こちらの制度の導入により、これまで薬事承認までにかかる期間を短縮できる(4年超→1年〜)ほか、革新的なプログラム医療機器の開発を可能とする観点から、新たな保険償還のタイミングも前倒しできるようにすることとしています(償還開始まで5年超→1年〜)。
プログラム医療機器の承認プロセスがますます複雑化し、迅速な承認が求められる現在、効率的に進めるためには専門的なサポートが不可欠です。サポートを委託する選択肢としては、医療機器CRO(受託研究機関)が挙げられます。
医療機器CROは、規制対応から臨床試験の管理まで、包括的な支援を提供しています。専門知識と豊富な経験を持つCROを活用することで、承認までの期間短縮や品質確保が可能となり、革新的な医療機器を迅速に市場へ導入する助けとなるでしょう。
当サイトでは、医療機器を3つの用途に分類し、それぞれの用途別でおすすめの医療機器CROをご紹介しています。興味のある業者様は、以下ページをご参照ください。
【このサイトに掲載する会社の選定条件】
2023年2月7日時点、「医療機器 CRO」とGoogle検索して表示された企業、および一般社団法人日本CRO協会の会員企業の中から医療機器向けのCROとしてサービスを提供している22社を掲載しています。
【3選に掲載する会社の選定条件】
22社の公式HPを調査し、以下の条件で3社を選出しました。実績・種類はすべて2023年4月時点のものです。
マイクロン…SaMDの実績(40件)が最も多い。
シミック…第一種製造販売業許可(許可番号:13B1X10146)を取得しており、受託開発した医療機器の種類が最も多い。
IQVIAサービシーズジャパン…再生医療分野において166以上の試験、6,600例以上の実績があり最も多い。